MURAYAMA未来塾第3回:9月4日

商品開発の実際とプロセス−価値創造の商品開発−
玉田俊郎(東京造形大学教授)


MURAYAMA未来塾が第3回を迎え、いよいよ本格的な商品企画のワークに入りました。午前は商品開発に関する事例として日本酒の新商品開発、山形打刃物の新商品開発を提示し、商品開発の考え方、捉え方、プロセスについて述べました。その中で商品開発、商品企画においてAIDMAの法則を認識し企画を進めていく必要性を指摘しました。消費者の購買行動はそう単純なものではありません。ユーザーの価値観やライフスタイル、企業や商品に抱くユーザーのイメージ、商品の魅力、効用、サービスなどが相まって購買行動に結び付いていきます。AIDMAとはAttention(注意を振り向ける)、Interest(興味を持つ)、Desire(所有したい、参加したい願望)、Memory(それを記憶する)、Action(行動)ということですが、購買行動はこのような段階があって成立します。

ワークショップ:プロジェクチームの編成と開発テーマの設定


未来塾の参加者は鋳物、繊維、陶磁器、食品、石材、木材・家具、紙、機械・事務機、皮革、打刃物、サイン広告、仏壇、デザインの多様な業種に股がっています。プロジェクトチームは参加者の商品開発テーマと事業者同士のマッチング希望から編成しました。合計6チームのプロジェクトチームができました。

開発テーマとサブテーマ


まずプロジェクトの開発テーマについて議論しました。個々の商品企画に入る前にプロジェクトで目指す共通の開発テーマを設定します。受講者はそれぞれにトライしてみたいテーマや具体的な商品企画がありますが、これをたたき台としてチームでの共通の開発テーマを議論し、何を目指していくのか、共通で価値付けできるもの、ことは何か、課題は何かをキーワードやことばを出して、これを集約しチームの開発テーマを見いだす演習を行いました。

この議論と演習によって、個別的で一見関係しないことがらやものが結びつき、その開発テーマから新たな商品企画の可能性や連携、広がりが見えてきました。

プロダクト・アウトとマーケット・イン


商品開発テーマや商品企画の始まりの中で、企業や開発者の熱い想いや眼前にあるシーズの活用、こだわりという、いわばプロダクト・アウト(生産者優位)から発想することがあります。このプロダクト・アウトからの発想も重要なことです。このような特徴あるものを作ってみたい、このスペシャルな技術を活かしてスペシャルなものを作ってみたい、という想いがなければことの発端と推進力になりません。そのような意味で当初はプロダクト・アウトからのアプローチになります。開発テーマや商品テーマの方向性を仮説として設定します。これを展開していく中でマーケット・インの考え方、見方も必要になってきます。マーケット・インとは市場から発想、消費者側からの発想となります。すなわち需要(ニーズ)に基づいた消費者優位の発想です。時としてプロダクトアウトの発想のみで製品化し、市場や消費者とのミスマッチを起こす場合があります。今回の商品企画ではプロダクト・アウトとマーケット・イン双方の観点から進めていきます。まずはプロダクト・アウトから商品企画をスタートさせ、この仮説をマーケット・インから研磨し現実的な商品企画に展開していきます。